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割賦価値


この補論では、「現在価値 (Present value)」と「割賦価値 (Annuity value)」の関係について説明します。宝くじの当選金や退職金は、一括して受け取るか、毎年定額ずつもらい続けるか選べたりします。選べるのは、どちらの選択肢でもトータルの価値としては同じだからです。現在価値と割賦価値の関係はこれと似ています。今回は、割引率が r で表される単純な場合で、現在価値と割賦価値の関係を導きます。


まずは現在価値です。毎期 d 円もらえるとして、割引率(金利)が r だとすると、現在価値 Q

    \begin{eqnarray*}Q = d + \frac{d}{1+r} + \frac{d}{(1+r)^2} + \frac{d}{(1+r)^3} + \cdots \end{eqnarray*}


と定義されます。将来のペイオフを割り引いて求めるので、割引現在価値とも呼ばれます。


ここで、「等比数列の和」の計算を実行すると

    \begin{eqnarray*}Q = \frac{1+r}{r} d\end{eqnarray*}


です。。例えば d=10 万円で r=0.05 なら、Q=210 万円となります。これから毎期ずっと d 円もらうことの現在価値は、\frac{1+r}{r}d 円だということです。


次は割賦価値です。割賦価値は、(一括で受け取る代わりに)毎期定額ずつ受け取るならいくらか、を表します。上の式を変形すると、今一括で Q 円もらうことの割賦価値は、

    \begin{eqnarray*}d = \frac{r}{1+r} Q\end{eqnarray*}


となります。例えば Q=200 万円で r=0.05 なら、d=9.52 万円となります。今一括で Q 円もらうことは、これから毎期 \frac{r}{1+r}Q 円もらうことと同等だという意味です。


現在価値と割賦価値の関係を押さえ、自在に行き来できるようにしておきましょう。