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イントロ2


前回は、サーチ・モデルが「労働の需要と供給は一致する」という仮定を捨てたモデルであることを説明しました。そのことにより、失業率や求人倍率を簡単にシミュレーションすることが可能になりました。


サーチ・モデルの主要な仮定は以下のとおりです。

  • 仮定1. 労働者とジョブのマッチングには時間がかかる。失業者がどれだけすぐにジョブを見つけられるか、企業がどれだけすぐに労働者を見つけられるかは、失業者と求人のどちらがどれだけ多いかで決まる。
  • 仮定2. 賃金は、企業と労働者それぞれの交渉力の大きさによって決まる。
  • 仮定3. 求人・採用にはコストがかかる。企業は求人することによる利得の期待値が正であれば求人するし、負であれば求人をやめる。


これらは、どれも自然な仮定と言ってよいでしょう。サーチ・モデルは、これらの仮定を記述した方程式からなります。外生変数は企業の採用コストや労働者の賃金交渉力であり、モデルが弾き出す内生変数は失業率、求人数、賃金などです。


サーチ・モデルには多くのバージョンがありますが、このシリーズでは以下の10本の方程式で記述される基本バージョンを勉強します。(式の意味は次回から1つ1つ解説します。)


その前に、まずはサーチ・モデルの世界の「舞台設定」から始めることにしましょう。

>> 労働市場論(サーチ・モデル)(3)舞台設定