ポイント:
変数には2種類ある。外から値が与えられるのが「外生変数(パラメータ)」であり、方程式を解いて値が求まるのが「内生変数」である。




経済学には「モデル」と呼ばれる方程式や連立方程式がたくさん登場します。式がたくさん出てくるので、「変数」もたくさん出てきますが、今回は「変数には2種類ある」という話です。その2つとは、「外生変数 (Exogenous variable)」と「内生変数 (Endogenous variable)」です。外生変数の方は、「外生パラメータ」、あるいは単に「パラメータ」とも呼ばれます。外生変数と内生変数の区別のしかたを、例を用いて説明します。


中学で習う、2次方程式を覚えていますか。例えば、

    \begin{eqnarray*} 2x^2 - 10x + 12 =0 \end{eqnarray*}



がそうです。一般には

    \begin{eqnarray*} ax^2 + bx + c =0 \end{eqnarray*}



と表されます。ここには4つの変数が登場しています。a, b, c, xの4つです。このうちa, b, cが外生変数、xが内生変数です。内生変数は、「式を解いて値が出てくる変数」です。これに対し、外生変数は、式の答えを出すために、あらかじめ値が必要な変数です。上の例で言えば、a=2, b=-10, c=12というふうに、外から指定されます。方程式を解いて出てくるものではありません。


「2次方程式の解の公式」によれば、内生変数は外生変数によって

    \begin{eqnarray*} x= \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} \end{eqnarray*}



と表されました。a, b, cが与えられれば、xも求まります。外生変数は「式の外で値が決まる」、内生変数は「式の内で値が決まる」と理解しましょう。


もう1つ例を挙げます。これも中学で習う、一次の連立方程式です。たとえば

    \begin{eqnarray*}2x + 5.5y &=&10\\-3x + 2.4y &=& 3 \end{eqnarray*}



がそうですね。一般には

    \begin{eqnarray*}&&ax + by =c\\ &&px + qy = r \end{eqnarray*}



のように表されます。ずいぶんたくさんの変数が登場しています。x, y, a, b, c, p, q, rと、全部で8個もあります。「式の数と変数の数が同じでないと、答えは出ないよ」と先生から教わった人もいるでしょう。式は2つしかありませんから、この連立方程式は解けないのでしょうか。


もちろん解けます。文字はたくさん出てきましたが、式を解いて求めるべき「内生変数」はxyの2つだけだからです。あとの変数は単なる外生パラメータで、a=2, b=5.5, … というふうに、外から値が与えられるのです。先に外生変数が与えられ、次に式から内生変数が求まる、というイメージを持つのがいいでしょう。


すなわち、外生パラメータの値が変わると、解、つまり内生変数の値も変わってきます。後でとても重要になる事実なので、頭の片隅にとどめておいてください。「外生変数の値が変わると、内生変数の値が変わる」です。