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ベルヌーイ分布以外の「二者択一」分布
ベルヌーイ分布は「0か1か」の二者択一の確率分布です。一方、100万円もらえるか失うかの賭けは「100か、 か」であって「0か1か」ではないので、厳密にはベルヌーイ分布ではありません。しかし、このような二者択一の確率変数の期待値や分散は、ベルヌーイ分布の期待値や分散を利用することで、簡単に求めることができます。それをこれから説明しましょう。今、
確率 で
確率 で
が実現する確率分布を考えましょう。そのような分布にしたがう確率変数を ,ベルヌーイ分布にしたがう確率変数を
と表すことにします。以下の表は
と
の関係をまとめています。
![](https://blog-study-economics.com/wp-content/uploads/2021/12/diagram067_Bernoulli01.png)
ベルヌーイ分布の期待値と分散は、前回求めたように ,
です。では
の期待値と分散はどうなるでしょうか。ここで有用となるのは、上述の
が
の式で表せるという事実です。その式は
というものです。
のときに
で、
のときに
だからです。
この事実を用いて、の期待値、分散、標準偏差を求めましょう。まず期待値は
1つめのイコールは
![Rendered by QuickLaTeX.com Y=(a-b)X+b](https://blog-study-economics.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-4d914e6eb2f370a44c45ed5f4a9a7168_l3.png)
![Rendered by QuickLaTeX.com p](https://blog-study-economics.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-826fb345b622197167c23734b90117c8_l3.png)
分散は、分散公式を用いれば
です。1つめのイコールは、「定数項は分散には無関係」という事実を用いています。2つめのイコールは係数が2乗して分散の外に出ることを用いています。3つめのイコールは、ベルヌーイ分布の分散が
![Rendered by QuickLaTeX.com p(1-p)](https://blog-study-economics.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-cb1e3012d193b46736c5c0e9cb91786b_l3.png)
標準偏差は分散の平方根ですから、
![Rendered by QuickLaTeX.com |a-b|\sqrt{p(1-p)}](https://blog-study-economics.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-ad5a9057eecd4bde32a174b200ca8a68_l3.png)
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ここまで、離散型の確率分布の代表例の1つめ「ベルヌーイ分布」とその派生形を勉強してきました。次回は「ベルヌーイ試行」の概念を知り、離散型の確率分布の2つめ「二項分布」に進みましょう。
今日のポイント か
かという二者択一の分布の期待値と分散は、ベルヌーイ分布の期待値と分散を利用して求めることができる。
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