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負の二項分布


離散型の確率分布のラストは「負の二項分布 (Negative binomial distribution)」です。


負の二項分布は、幾何分布を土台として理解しましょう。AA^c が起こるベルヌーイ試行(裏か表か、成功か失敗かなど)を考えてください。すると、
  幾何分布 = 「1回 A^c が起こるまでに何回 A が起こるか」を表す分布
  負の二項分布=「rA^c が起こるまでに何回 A が起こるか」を表す分布
となります。負の二項分布で r=1 の場合が幾何分布、と言うこともできます。


たとえば「チョコボールで銀のキョロちゃんを5つ当てるまでに、ハズレを何回引くことになるか」や「藤原氏が3人の娘をもうけるまでに、息子を何人持つことになるか」が負の二項分布で記述されます。起こりうる実現値は\{0,1,2,\cdots\}であり、パラメータは q(=A の起こる確率)と r(= A^c が何回起こったら試行をやめるか)の2つです。


ここで気づいて欲しいのは、「2回 A^c が起こるまでに何回 A が起こるか」は「1回目に A^c が起こるまでに何回 A が起こるか」と「そのあと再び A^c が起こるまでに何回 A が起こるか」の和であるということです。より一般的には、「rA^c が起こるまでに何回 A が起こるか」は、「1回 A^c が起こるまでに何回 A が起こるか」を r 回繰り返したときの合計になります。


このことを式で表してみましょう。rA^c が起こるまで試行を繰り返したときに起こる A の回数を Y と置きます。すると Y は幾何分布に従う r 個の確率変数 X_1, \cdots, X_r の和となります。すなわち

    \begin{eqnarray*}Y = X_1 + X_2 + \cdots + X_r\end{eqnarray*}


ここで r 個の幾何分布は互いに独立(無関係)です。各 X_i の期待値(幾何分布の期待値)は E[X_i] = q/(1-q) でしたから、負の二項分布の期待値はその r 個分で rq/(1-q) ということになります。


さあ、これで目標にしていた5つの分布を全て紹介し終えました。次回は日常の事例に適当な確率分布を当てはめる問題をやってみましょう。

>> 確率分布(離散型)(17)確認問題1(事例編)