>> 序,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18
幾何分布の期待値
幾何分布の期待値を計算しましょう。期待値は、対応する実現値と確率の積の和でした。すなわち
でくくれば
です。{ } の中は、等差数列 と等比数列 の積の和となっています。これを計算するための高校数学の常套手段は、まず
と表したうえで、この両辺に をかけたもの
を辺々引くというものです。すると
というふうに、右辺は初項が の等比数列の無限和になるので
これより、 です。よって となります。これで期待値は求まりました (*注1)。
分散の計算は少し複雑なので、補論にしたいと思います。次回は確率のモデル化という話です。
>> 確率分布(離散型)(12)確率のモデル化
注1:
教科書によっては と表しているため、期待値の “公式” が となっていますが、これは単なる表記の違いです。
補論:幾何分布の分散
分散を計算するには の公式を使うべく、 の期待値を求める。すなわち
確率 で
確率 で
確率 で
確率 で
確率 で
という分布の期待値である。これは
となるので
を求める必要がある。ここから
を辺々引けば
よって , より
となる。(教科書によっては と置き換えることで、幾何分布の分散を と表している。)