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ベルヌーイ分布の期待値,分散,標準偏差


今日のテーマは、パラメータ p のベルヌーイ分布の、期待値、分散、標準偏差を求めることです。以下の結果を導きます。

期待値(=平均) p
分散    p(1-p)
標準偏差  \sqrt{p(1-p)}

ベルヌーイ分布にしたがう確率変数をXとおき、以下の表を使って、まず X期待値、次いで X分散と標準偏差を求めましょう。



表の1列目、2列目は、「確率 p で1,確率 1-p で0」というベルヌーイ分布の定義を要約しています。期待値(=平均)は、対応する実現値と確率を掛けてから合計したものなので、

    \begin{eqnarray*}p1+(1-p)0 = p\end{eqnarray*}


となります。「確率0.2で1万円、確率0.8で0万円」というゲームの賞金ならば期待値は0.2万円ということです。


分散を求める手順は、表の3,4列目です。表の3列目では、実現値1と0が、平均 p からどれだけ離れているかを計算しています(それぞれ 1-p0-p です)。表の4列目で、それらを2乗しています。それを確率を使って足し合わせたものが分散ですから

    \begin{eqnarray*}p(1-p)^2+(1-p)(-p)^2 \end{eqnarray*}


これを整理すると p(1-p) となります。よって、ベルヌーイ分布の分散は p(1-p),標準偏差はルートして \sqrt{p(1-p)} となります。


次回はベルヌーイ分布以外の「二者択一」の分布を考えたいと思います。

>> 確率分布(離散型)(3)ベルヌーイ分布以外の「二者択一」分布

東京神保町 ぶらじる