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逆行列4 「両辺に逆行列を掛けると」
中学校の数学では、例えば のとき、「両辺を
で割って」
であるという変形のしかたを教わります。行列にも類似の式変形があるので、今回はそれを勉強しましょう。
今、 は全て行列だとして、
という式を考えましょう。
![Rendered by QuickLaTeX.com A](https://blog-study-economics.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-7c472eb23904478dc94dd673e791751a_l3.png)
![Rendered by QuickLaTeX.com A^{-1}](https://blog-study-economics.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-8544efde0695e0b232f31bc00448fc7a_l3.png)
となります。わざわざ「左から」と断るのは、行列のかけ算にとってはかけ算の順番が大事だからです。
ここで、逆行列の定義を思い出すと、
![Rendered by QuickLaTeX.com A^{-1}A](https://blog-study-economics.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-72c6b1849a67a81c450b55b4ba6a90dd_l3.png)
![Rendered by QuickLaTeX.com B = A^{-1}C](https://blog-study-economics.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-c8ad2e106f9b66ffcb03bf6b11766b5a_l3.png)
![Rendered by QuickLaTeX.com A](https://blog-study-economics.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-7c472eb23904478dc94dd673e791751a_l3.png)
最初からまとめると、
となります。この「両辺の左から(または右から)逆行列を掛けると・・・」というフレーズはよく出てくるので、慣れてくださいね。
さて、公式やエクセルを使って逆行列を瞬時に求められると、さまざまなメリットがあります。その1つが、連立一次方程式を瞬時に解けるようになることです。次回はそれを説明します。
>> 行列の基本(15)行列の積で表す1 連立一次方程式