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逆行列3 エクセルで逆行列


エクセルで逆行列を求めるための関数は、MINVERSE(Matrix Inverseの頭文字)です。使うときは、逆行列を求めたい行列の範囲を指定します。




そして、Ctrl + Shift + Enterで確定します。




逆数を持たない実数は0だけですが、逆行列を持たない正方行列はたくさんあります。例えば

    \begin{eqnarray*} \left( \begin{array}{cc}  1& 2 \\  3 & 6 \end{array} \right)  \end{eqnarray*}


には逆行列が存在せず、エクセルで求めようとするとエラーになります。逆行列が存在しない行列を「特異行列 (Singular matrix)」と言います。


3\times 3 の行列の逆行列は、動画の中で実践するので、参照してください。もっと大きな正方行列の逆行列も、ぜひ自分で試してみてくださいね。




かつては「掃き出し法」という逆行列の計算法を教わりましたが、現在は必ずしも教わりません。中学校で習う平方根と状況が似ています。昔の中学校では \sqrt{13}=3.605551275\cdotsの計算の仕方を教わりましたが、現代では教わりません。現代では \sqrt{13} は「2乗すると13 になる数」という意味を教わり、電卓で計算して終わりです。同じように、逆行列 A^{-1} も、定義をしっかり暗記し、パソコンで値が出るのを確かめるだけで、とりあえず事足りるでしょう。


ただ、逆行列の定義を覚えていることは必須です。行列 A の逆行列は何でしたか。「Aとの積が単位行列になる」行列でしたね。この定義が頭に入っていると、行列の式変形がスムーズにできるようになります。次回はそのお話です。

>> 行列の基本(14)逆行列4 「両辺に逆行列を掛けると」