利得表2
前回学んだ「利得表」が、プレーヤーが2人の「ただ乗りゲーム」の場合にどうなるか考えてみましょう。ただ乗りゲーム(ただ乗り問題とも言う)の入門はこちらを参照してください。
ただ乗りゲームにおける各プレーヤーの戦略は、「貢献する」または「貢献しない」です。他人がやるのが一番良くて、誰もやらないのが一番困る、というゲームでした。例えば、二人のルームメイトのうち、どちらがゴミ捨てするかという場面がそうです。ゴミ捨ては面倒くさいけれど、誰も捨てなかったら臭くて仕方ありません。
ただ乗りゲームを利得表で表わすと以下のようになります。
利得表の顔はそれぞれ、「笑っている=利得が高い」「嘆いている=利得が低い」「無表情=利得はそこそこ」を意味しています。顔はプレーヤー1、2の順に並んでいます。
利得表を見ながら、ただ乗りゲームの特徴を1つ1つ確認していきましょう。
- プレーヤー1にとっては、自分が貢献せず、プレーヤー2が貢献してくれるときが高い利得となっています。(1と2の立場を入れ替えても同様。)
- どちらも貢献しないときに、2人とも利得が最低となっています。
- プレーヤー1にとって、2が貢献しないときは、自分が貢献した方がマシとなっています。(1と2の立場を入れ替えても同様。)
- プレーヤー1にとって、もし自分が貢献するのなら、プレーヤー2が貢献するかどうかは利得に関係ありません。すなわち、2人でやると仕事が楽になる、というような状況ではありません。
練習問題をやってみましょう。
問題
以下のA,B,Cの3つの利得表が表しているゲームは、「囚人のジレンマ」「マッチング・ペニー」「スタグ・ハント」のうちのどれでしょうか。正しい組み合わせを選んで線でつないでください。ただし、戦略の名前は隠してあります。(解答はこちら)
いかがでしたか。次回は基本用語の2つめ、「最適反応」を説明します。
>> 最適反応とナッシュ均衡(3)最適反応1
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