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最適反応1

今回学ぶゲーム理論用語は「最適反応」です。


ジャンケンでは、もし相手がグーで来ると思うなら「パー」を出すのが得です。相手がパーなら「チョキ」が、相手がチョキなら「グー」が得です。このように、「他のプレーヤーが仮にこの戦略で来るなら」という想定をしたときに、それに対する最良の戦略、すなわち自分の利得を最も高くする戦略のことを「最適反応 (optimal response)」と言います。


前回の「ただ乗りゲーム」を考えてみましょう。もしプレーヤー1がゴミ捨てをしないのなら、プレーヤー2は「ゴミ捨てする」のが最適反応です。一方、もしプレーヤー1がゴミ捨てをしてくれるのなら、プレーヤー2は「ゴミ捨てしない」のが最適反応です。


最適反応の定義は、プレーヤーが3人以上いる場合でも同じです。自分以外の全てのプレーヤーの戦略を「これ」と想定したとき、それに対する最良の対抗策が最適反応となります。例えば5人のサークル仲間のうち、最低4人が集まらないと練習にならないようなスポーツがあるとしましょう。(バスケの2対2や、テニスのダブルスなど。)Aさんにとっては、もし他の4人がみな来るなら、自分も「行く」のが最適反応です。Bが欠席すると分かっていても、C,D,Eが来ると思うなら、やはり「行く」が最適反応です。BとCが欠席し、DとEは来ると思うならどうでしょうか。この場合は行っても練習にならないので、「行かない」が最適反応ということになります。



まとめ
他のプレーヤーたちの戦略を固定したとき、それに対抗する最良の戦略を「最適反応」という。




次回は戦略が3つ以上ある場合で、最適反応を見つける練習をしてみましょう

>>最適反応とナッシュ均衡(4)最適反応2