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利得表1

これまでゲーム理論の考え方を、専門用語をできるだけ用いないで紹介してきました。ここからはゲーム理論をより深く勉強していきます。その第一歩として、このシリーズでは以下の基本用語を習得します。

  • ・利得表
  • ・最適反応
  • ・戦略プロファイル
  • ・逸脱
  • ・ナッシュ均衡


初回の今日は利得表です。


以前、ゲーム的状況における「戦略 (strategy)」と「利得 (payoff)」の意味を説明しました。ゲーム理論では、全てのプレーヤーが戦略を決めたときに各プレーヤーが得る利得を、表であらわすことがあります。それが「利得表 (payoff table)」です。


簡単なコーディネーション・ゲームを考えてみましょう(→コーディネーション・ゲームの入門はこちら)。コーディネーション・ゲームは、相手と行動が噛み合えばお互いにハッピー、噛み合わなければお互いにアンハッピーというゲームでした。例えば、2人のプレーヤーが、狭い道路を自転車ですれ違うとき、それぞれ右側通行と左側通行のどちらかを選ぶという状況がそうです。右でも左でもいいけど、相手と一緒でないと正面衝突してしまいます。


この状況は以下のような利得表で表すことができます。タテ項目には、プレーヤー1の戦略として「左」と「右」が青色で並んでいます。ヨコ項目には、プレーヤー2の戦略として「左」と「右」が赤色で並んでいます。2人とも戦略を決めると、それぞれの利得が決まります。


笑っている顔が高い利得、嘆いている顔が低い利得を表しており、プレーヤー1、2の順で並んでいます。利得は本当は数字で表すのですが、今回は「嬉しいかどうか」だけ分かればいいので、顔の表情で表現しています。


お互いに「右側通行」を選んだときと、お互いに「左側通行」を選んだときに、両者とも利得が高くなっています。また、一方のプレーヤーが右を選び、もう一方が左を選ぶと、両者とも利得が低くなっています。これが、左側通行か右側通行かを選ぶコーディネーション・ゲームの利得表です。


要約
利得表とはプレーヤーたちが採る戦略しだいで、各プレーヤーの利得がどうなるかをまとめたものである。




利得表に慣れるため、次回は「ただ乗りゲーム」の利得表を考えてみましょう。

>> 最適反応とナッシュ均衡(2)利得表2