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単位行列
行の数と列の数が等しい行列を「正方行列 (Square matrix)」と言います。正方形の形をしているからです。
正方行列の左上から右下へ至る対角線上の成分を「対角成分 (diagonal components)」と言います。それ以外は「非対角成分 (off-diagonal components)」です。図で表すと、赤い所が対角成分、青い所が非対角成分です。
対角成分が全て1、非対角成分が全て0である正方行列を「単位行列 (Unit matrix)」と言います。例えば
などがそうです。単位行列によく使われるアルファベットは で、
などと表します。
単位行列は、行列の世界における、数字の「1」に相当します。というのは、いかなる行列に単位行列を掛けても、行列は変化しないからです。これを実際に確かめてみましょう。
例えば
単位行列を掛ける前後で行列は変わっていませんね。同様に
も確かめてみてください。
単位行列をベクトルにかけても同じです。
ベクトルに変化はないことが確かめられます。
行列のかけ算と単位行列が理解できると、「逆行列」を学ぶことができます。次回から何回かにわたって、「逆行列」を勉強します。
>> 行列の基本(11)逆行列1 逆行列の定義