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行列のかけ算2 xB


前回は、「行列と縦ベクトル」のかけ算を勉強しました。今回は、「横ベクトルと行列」のかけ算です。例えば

    \begin{eqnarray*} xB= \left( \begin{array}{ccc}  x_{1}& x_{2} & x_{3}  \end{array} \right)  \left( \begin{array}{cc}  b_{1,1}& b_{1,2}\\  b_{2,1} & b_{2,2}\\  b_{3,1} & b_{3,2} \end{array} \right)  \end{eqnarray*}



です。先行するのは横ベクトルで、行列は後方にきています。この2つの積を計算するときは、




というふうに、後方の行列を各列に区切ります。そして、ベクトルと、各列との内積を計算します。先行するベクトルのサイズと、行列の行数が一致していることが前提です。


もうひとつ例を見ておきましょう。今度は B のサイズが 2\times 3 です。

    \begin{eqnarray*} xB= \left( \begin{array}{cc}  x_{1}& x_{2}   \end{array} \right)  \left( \begin{array}{ccc}  b_{1,1}& b_{1,2} & b_{1,3}\\  b_{2,1} & b_{2,2} & b_{2,3}\end{array} \right)  \end{eqnarray*}



この計算手順を図示すると、



です。先ほどとサイズは違いますが、原理は同じです。練習として、次の積を計算してみましょう。

    \begin{eqnarray*}  \left( \begin{array}{ccc}  100 & 10 & 1  \end{array} \right)  \left( \begin{array}{ccc}  1& 2 & 3 \\  4 & 5 &6 \\  7 & 8 & 9 \end{array} \right)  \end{eqnarray*}


どうでしょうか。後方の行列を縦に切ることを忘れないでください。正解は

    \begin{eqnarray*}  \left( \begin{array}{ccc}  100 & 10 & 1  \end{array} \right)  \left( \begin{array}{ccc}  1& 2 & 3 \\  4 & 5 &6\\  7 & 8 & 9 \end{array} \right)  =  \left( \begin{array}{ccc}  147 & 258 & 369  \end{array} \right)  \end{eqnarray*}


です。正しくできましたか?


次回は「行列と行列」のかけ算です。

>> 行列の基本(6)行列のかけ算3 AB


今回のポイント
横ベクトルと行列のかけ算では、行列を列に区切り、それぞれ横ベクトルとの内積を取る。