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確率変数が n 個の場合


前回は確率変数が3個ある場合の分散公式を勉強しました。今回は n 個ある場合です。n 個の確率変数 X_1, \cdots, X_n の線型結合は、係数を w_1, \cdots, w_n とおけば、 w_1X_1 + \cdots + w_nX_n と表されます。分散はいくつになるでしょうか。


見た目は難しくなりますが、3個の場合と基本的に同じです。確率変数が n 個あるので、まずは分散の項が n 個出てきます。さらに、確率変数のペアの数だけ共分散の項が出てきます。




ここで「i<j であるような ij の組み合わせ」とは、たとえば1と2、1と3、2と3・・・のような組み合わせを漏らすことなく全て、という意味です。もし、和のシグマ記号のこのような使い方に慣れていなければ、こちらを参考にしてください。シグマ記号の意味が分かれば、この公式は確率変数が3つの場合の延長に過ぎないことが分かります。


ただこの公式は、見た目がゴチャゴチャしていますね。エクセルで計算するにも、式を入力するだけで時間がかかりそうです。もう少しスッキリあらわすことはできないでしょうか。それが次回のテーマです。


次回は、n 個の確率変数の線型結合の分散の公式を、和の記号シグマを使わずに、スッキリ表す方法を勉強します。

>> 和の分散公式(6)行列で表した分散公式