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最適反応2

前回学んだ「最適反応」の概念を、別の例で考えてみましょう。


サークルの仲間たちが誰かの家に集まって飲み会を開くとしましょう。プレーヤー1は食べ物を用意する係、プレーヤー2は飲み物を用意する係になりました。ところが、食べ物と飲み物の組み合わせに関する2人の好みはだいぶ異なります。プレーヤー1は「ハンバーガーにはコーラが合う!」と主張し、プレーヤー2は「ハンバーガーにはワインだ!」と反論するといった具合です。


そのような状況で、プレーヤー1,2それぞれの立場に立って、相手の戦略に対する最適反応を求めてみようというのが今日のエクササイズです。そこで、2人の利得は、以下のような利得表で表されるとしましょう。


まず、プレーヤー1の最適反応から考えましょう。プレーヤー2の戦略を固定します。次の表を見てください。


例えばプレーヤー2がコーラを用意するとしましょう(表では赤い枠で示しています)。プレーヤー1はコーラに最も合う食べ物はバーガーだと思っており、バーガーが最適反応です。


同様に、プレーヤー2の戦略がビールのときも、プレーヤー1の最適反応はバーガーです。(以下の図)


プレーヤー1はバーガーとワインは合わないと考えています。なので、プレーヤー2の戦略がワインのときは、プレーヤー1の最適反応はピザとパスタです(以下の図)。


ここまで求めたプレーヤー1の最適反応をすべて表示すると以下のようになります。


今度はプレーヤー2の最適反応を考えましょう。プレーヤー1の戦略を固定します。プレーヤー1がバーガーを用意するとしましょう。プレーヤー2はバーガーにはワインが最高だと思っています。


プレーヤー1がピザで来るなら、プレーヤー2の最適反応はコーラかビールです。


最後に、プレーヤー1がパスタを選ぶとします。プレーヤー2はパスタには興味がありません。コーラもビールもワインもどれも同じだと思っているので、3つとも最適反応です。


プレーヤー2の最適反応をすべて表示すると以下のようになります。


どうでしたか。最適反応を見つける手順には慣れたでしょうか。次回は「戦略プロファイル」を説明します。

>>最適反応とナッシュ均衡(5)戦略プロファイル