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投入

生産 (production)とは、何らかのリソースを投入し、別の何かを産み出す活動です。英語では投入をインプット (input)、産出をアウトプット (output) と呼びます。前回、産出としては、全ての財・サービスをひとまとめにしたGDPを考えるという、マクロ経済学の習慣を説明しました。では、産出はGDPであるとして、投入の方は何でしょうか。それが今日のテーマです。


個々の財の生産では、たとえば農家が小麦が生産し、小麦からパンが生産され、パンを使ってホテルの朝食が作られます。生産された物が、次の物を作るための原材料として投入されます。


しかし、全ての財・サービスの生産をひとまとめに考えるとき、中間的な原材料(上の例では小麦やパン)は相殺されます。すると、付加価値のもとは3つしかありません。「土地」「資本」「労働」の3つです。ここで「資本」とは、発電所や道路などのインフラ、建物、トラクター、かまど、厨房、コンピューターといった、物理的な設備のことです。すでに設備が揃っていれば、それを使っていろいろな物を生産できます。


これらの根本的なインプットは、「生産要素 (Factors of production)」と呼ばれます。農耕社会においては「土地と労働」が主なインプットでしたが、産業革命後の現代は「資本と労働」が主なインプットです。


では、資本や労働をどれくらい投入したとき、どれくらいの産出が期待できるのでしょうか。投入量と産出量の関係は、「生産関数」によってモデル化されます。次回はこの生産関数がテーマです。

>> 生産のモデル化(3)3種類の生産関数