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第n項までの和(練習)


前回は以下の式を導出しました。


初項 a,公比 q の等比数列の第 n 項までの和は

    \begin{eqnarray*} \frac{a(1 - q^{n})}{1-q}\end{eqnarray*}



今日はこの公式を練習してみましょう。経済学やファイナンスでよく出てくる足し算に、以下のようなものがあります。

    \begin{eqnarray*}S =  \frac{D}{1+i} + \frac{D}{(1+i)^2} + \frac{D}{(1+i)^3} +\cdots + \frac{D}{(1+i)^n} \end{eqnarray*}


D は毎年受け取るお金の額、i は割引率を表すのですが、今日は経済学的な解釈は知らなくても結構です。大事なのは、これが初項 \frac{D}{1+i},公比 \frac{1}{1+i} の等比数列の和であるということです。公式を当てはめると


    \begin{eqnarray*}S =  \frac{1-\left(\frac{1}{1+i}\right)^n}{1-\left(\frac{1}{1+i}\right)}\cdot \frac{D}{1+i} \end{eqnarray*}


となります。もう少しきれいに整理できますが、それはみなさんにお任せしましょう。


類題です。

    \begin{eqnarray*}S =  D + \frac{D}{1+i} + \frac{D}{(1+i)^2} + \frac{D}{(1+i)^3} +\cdots + \frac{D}{(1+i)^{n-1}} \end{eqnarray*}


これも等比数列の和です。こちらは初項は D です。公比は先ほどと同じです。項の数も全部で n 個で変わりありません。したがって和の公式に当てはめると

    \begin{eqnarray*}S =  \frac{1-\left(\frac{1}{1+i}\right)^n}{1-\left(\frac{1}{1+i}\right)}\cdot D\end{eqnarray*}


割引率 i は、r と表すことも多いのですが、等比数列の公比もよくr と表します。経済学を勉強している人は混乱しないように気をつけてください。


次回は n=\infty の場合を説明します。

>> 等比数列の和(3)無限和の例