確率変数が3つの場合
前回は確率変数が X と Y の2つという設定で、線形結合の分散を求める公式を紹介しました。確率変数が3つ以上ある場合はどうでしょうか。2つだけのときより公式は長くなります。でも、理論の難しさは変わりません。今日は確率変数が3つある場合を勉強しましょう。
3つの確率変数 がある場合、それらの線型結合 の分散は、以下のようになります。ここでも、中高の数学で出てくる のような式の展開との類推で覚えてください。
公式の右辺を見て下さい。まず3つの確率変数それぞれの分散の項があり、それらには係数の2乗がつきます。そのつぎに、共分散の項が続きます。確率変数のペアを全て列挙してください。ここでは と , と , と の3組ありますね。ペアが3組あるので、共分散も3つあります。それぞれの共分散には、2つの確率変数の前に付いていた係数を付け、2倍します。 などがそれです。
練習問題をしてみましょう。
問題
確率変数が3つあり、それぞれ分散は , , で与えられるとします。また共分散は , , で与えられるとします。このとき の分散を求めてください。
解答
確率変数が3つの場合が理解できれば、一般に n 個ある場合の公式も想像できるかもしれませんね。想像が合っているかどうか、次回チェックしてみましょう。
>> 和の分散公式(5)確率変数がn個の場合