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内積計算のシグマ表示 その2


今回は、第4回「内積計算のシグマ表示 その1」の続きです。文字がたくさん出てきてもひるまないための訓練をします。


同じ長さのベクトルが2つあれば内積を計算できますが、今回はベクトルがたくさんある状況を考えます。


例えば、a_1, a_2, \cdots, a_m が、それぞれ数字が n 個並んだベクトルとしましょう。つまり

    \begin{eqnarray*}a_1 &=& (a_{1,1}, a_{1,2}, \cdots, a_{1,n})\\a_2 &=& (a_{2,1}, a_{2,2}, \cdots, a_{2,n})\\&\vdots&\\a_m &=& (a_{m,1}, a_{m,2}, \cdots, a_{m,n})\end{eqnarray*}


そして、これらとは別に、やはり数字が n 個並んだベクトル x があるとします。

    \begin{eqnarray*}x = (x_1, x_2, \cdots, x_n)\end{eqnarray*}


ここで、a_1, a_2, \cdots, a_m の各ベクトルと x との内積をシグマで表してみましょう。文字がたくさん出てきますが、その多さに混乱しないように訓練するのが、今回のねらいです。すでに m, n という2つの添え字が出てきましたが、これらに加え、ij が登場します。


まず、ベクトル a_1 とベクトル x の内積は

    \begin{eqnarray*}a_1\; x = a_{1,1}\; x_1 +  \cdots + a_{1,n} \; x_n = \sum^n_{j=1} a_{1,j} \; x_j\end{eqnarray*}


です。一般には i=1,\cdots, m に関して

    \begin{eqnarray*}a_i \; x = a_{i,1} \; x_1 +  \cdots + a_{i,n} \; x_n = \sum^n_{j=1} a_{i,j} \; x_j\end{eqnarray*}


ということになります。


どうでしたか。このように、たくさんの文字が出てくることにも、少しずつ慣れていきましょう。