ドーマー・モデル2 インプリケーション編
前回はドーマー・モデルの差分方程式を導出しました。まとめると







ドーマーの想定する世界では、経済成長率はどのように決まるのでしょうか。人口は一定と仮定して考えてみましょう。まず、「産出の成長率」は、「資本の成長率」と同じであることが示せます。
では資本はどのように成長していくかと言えば
ですので、両辺を

となります。一国の経済成長率は、3つのパラメータの値で決まることが分かります。
資本減耗率



たとえば仮に




です。たくさん貯蓄(投資)すれば、それだけ速く成長します。アリとキリギリスの「アリ」であればあるほど、経済は速く成長していくというのが、ドーマー・モデルのメッセージです。
次回は、このモデルを現実に当てはめた経済学者たちの経験についてお話しします。
>> 経済成長論(8)ドーマー・モデル3 歴史編