添え字が2つの場合
今回から、 に添え字が2つ付いている例を見てみましょう。
仲良しな3人がいて、それぞれ「1」さん、「2」さん、「3」さんと呼ぶことにします。そして、 を「 さんが さんに買ったクリスマス・プレゼントの費用」とします。たとえば は、1さんが3さんに買ったプレゼントの費用です。
この場合、プレゼント費用の全体の合計は
と書けます。「 も も(1から3まで)ひと通り代入して足してね」という意味で、全て書き出せば
ということです。ここで、 は、1さんが1さん自身に買ったプレゼントの値段です。
自分で自分に買ったプレゼントの費用は、合計費用には入れたくないという場合もあるでしょう。その場合は
などと書きます。「 と が等しくない場合をひと通り足す」という意味です。つまり
です。
今度は、プレゼントの例はやめて、 が、「 さんと さんが一緒に食事したときの費用」だとします。たとえば1さんと2さんが一緒に食事したときは3,000円、2さんと3さんのお出かけでは3,500円、3さんと1さんのディナーでは4,000円使ったとします。この場合、 と は同じ3,000円のディナーを指しています。食事費用の総額を考えるときには、ダブルカウントしないように、となるペアに関してだけ足し合わせます。これは
と書くことができます。意味は
です。このように、和のシグマ表記は、何を足すのかが明確であれば、適宜柔軟に用いてよいのです。
次回は添え字が2つの場合を発展させていきます。
>> 和の記号シグマ(6)二重のシグマ その1