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変化率


前回勉強したように「掛け算的に変化する変数」は、元の値と比べて何%増減したかで変化の大きさを表します。物価や株価も、「◯◯円上がった」という代わりに「◯◯%上がった」と言います。このように比率で表現した変化の大きさは「変化率」と呼ばれています。今回は変化率を計算してみましょう。


政府は人口、GDP、物価などを定期的に調査し、データとして記録に残しています。そのように定期的に記録したデータは時系列 (time series) あるいは単に系列 (series) と呼ばれます。毎年の人口のデータが f_1, f_2, f_3, \cdots という系列で表されているとしましょう。このとき、第 t 期から第t+1 期にかけての変化量は

    \begin{eqnarray*}f_{t+1} - f_t\end{eqnarray*}


と表すことができます。例えば、ある村の第 t 期の人口が f_t=10000人、第 t+1 期の人口が f_{t+1}=10100人であれば、その差100人が1年間の変化量(増分)です。


一般には小さな町から大都市まで様々あるので、「100人増えた」というだけでは、変化の大きさは分かりません。ですから人口の変化はふつう、元の水準で割った「率」で表します。第 t 期から第 t+1 期にかけての変化率は

    \begin{eqnarray*}\frac{f_{t+1} - f_t}{f_t}\end{eqnarray*}


です。先の例であれば f_t=10000f_{t+1}=10100より、変化率は0.01,すなわち1%の増加ということになります。


これは人口に限らず、GDPや物価、株価でも同じです。人口やGDPであれば変化率という代わりに「成長率」、物価であれば「インフレ率」、株価であれば「収益率」などと異なる名前で呼ばれますが、式は全く同じです。変化量(差)を変化前の値で割ったもので、変化の大きさを表現します。掛け算的に変化する変数だと判断したら、増減の大きさは変化率を使って表すよう、注意してください。


掛け算的に変化する変数は、グラフの描き方も注意しなければなりません。次回はそれを説明します。

>> かけ算的に変化する変数(3)対数目盛りのグラフ1