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「線型結合」の期待値
確率変数が というように複数あるとします。このとき、これらに係数をつけてから足したものを確率変数の「線型結合」と言います。例えば のようなものです。(もし、どうしの積や2乗、つまり や があったら、線型結合とは呼べません。)
確率変数の線型結合の期待値に関しては、次の定理が知られています。
ここでは確率変数につく「係数」を で表しています。先ほどの例は、, , , の場合で、
となります。この定理は、個々の確率変数の期待値が分かれば、それらの線型結合の期待値も、自動的に分かることを表しています。
定理の式の右辺を、ベクトルの内積を使って表す方法も知っておいてください。まず、期待値はギリシア文字の (ミュー) を使っても表すので、 ,,・・・と書いておきます。すると、上の定理より の期待値は、 と表せます。そこで今、ベクトルを2つ、
と定義すれば、
というふうに、内積で表されることになります。定理の意味は変わりません。書き表し方が変わっただけです。
この定理は、ファイナンスで、金融資産のポートフォリオの期待収益率を求めるのに応用されます。別の記事で紹介しますので、それも参照してこの公式のイメージを膨らませてくださいね。
>> 和の分散公式(1)