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クーポン債とは

「5年後に100ドル支払います」のように、満期に一括してお金を支払うだけの債券を「割引債(わりびきさい)」と言います。5年後には100ドルになるけれども、今はそれが多少割り引かれて98円などで取引されるので、そういう名前がついています。


一方、クーポン債(利付債とも言います)は、「5年後に100ドル」といった額面償還だけでなく、定期的にオマケのお金を支払ってくれます。これをクーポンと言うのです。支払われるクーポンの額は、債券に記載された「クーポン・レート」によって決まります。額面にクーポン・レートをかけた値が一年あたりのクーポン支払い額です。額面が100ドルでクーポン・レートが5%ならば、クーポンは毎年5ドルですね。年1回支払われたり、2回に分けて半分ずつ支払われたりします。クーポン債との対比では、割引債のことを「ゼロ・クーポン債」と呼ぶこともあります。



割引債とクーポン債のお金の支払いを、絵で比較してみましょう。上が満期5年、額面100ドルの割引債です。下がそれに5%のクーポンが付いたクーポン債です。クーポン債の方が、定期的に少額の支払いがあるイメージを持ってください。最後の年は、最後のクーポンと額面が両方とも支払われます。



同じ額面と満期であれば、当然クーポンが付いている分、クーポン債の方が価格は高いはずです。ではクーポン債の価格は、理論的にはどのように決まるのでしょうか。次回から、割引債の価格とクーポン債の価格の理論的な関係を説明します。

>> クーポン債の理論(2)下準備