微分しても変化しない関数
に関して知っておきたい3つめの事実は、 が微積分の分野で非常に特別な関数であるということです。
を 乗した指数関数 を考えてください。すると、その導関数もまた となります。すなわち ならば ということです。 導関数が元の関数と同じになる、すなわち
が成立するのは、 のほかには、 つまり「常に0である」という関数だけです。これが の3つめの性質です。
仮に というふうに、 に係数と定数項が付いている場合は、「合成関数の微分」のルールが適用され、導関数は となります。したがって
ということになります。
逆にこの「導関数を元の関数で割ったものが定数」という式を見たときに、「ああ、 のことか」というふうに関数の正体が言えるようになることが、経済学の上級者には求められます。
いかがでしたか。3回にわたって、無理数 の不思議な性質の中から、経済学で用いる3つを紹介しました。 は とも密接に関係しており、奥が深い数です。まずは語呂でだいたいの値を覚え、そのうえで3つの性質を暗記してください。(終わり)