特別な無理数
のように「どこまで行っても規則性のない数」を無理数と言います。この無理数の中でも、特別な存在の2大巨塔が (パイ,)と (イー,)です。どちらも決まった文字で表しますが、あくまで数字です。
は、中学校で教わる「円周率(= 直径を何倍すると円周になるか)」のことですが、実はとても不思議な数です。一例を挙げると、こんな公式があります。
(1)
(2)
式(1)の右辺は、奇数の逆数を差し引きしたものです。式(2)の右辺は、自然数の逆数を2乗して足したものです。一見して「円」とは関係ない不思議な式です。
このと肩を並べる特別な無理数が「(イー)」です。 というように永久に続く数で、「オイラー数」や「自然対数の底(てい)」とも呼ばれます。これから とは何かという話をしますが、その前に、 が単なる無理数であることを肝に銘じるためにも、 というだいたいの大きさを覚えてください。(語呂を使って「ニーナ、遺髪は遺髪は死後くれよ」と覚えてもいいでしょう。)
には他の数字が持たない性質がいくつもあるので、どれが定義と決めることができません。次回から、 の性質のうち、経済学でも利用する有名な3つを紹介します。その中で、自分にとって一番覚えやすいものを の定義として覚えましょう。
>> オイラー数「e」(2)e の展開公式