ポートフォリオのリターン
複数の資産の組み合わせを「ポートフォリオ (portfolio)」と言います。もし100万円をトヨタとホンダの株式に半分ずつ投資したならば、それは2種類の株のポートフォリオです。ポートフォリオの中で各資産が占める投資額の割合は、「組入れ比率」や「ウェイト (weight) 」などと呼ばれます。
例えば、A,B,Cの3つの銘柄に、50万円,30万円,20万円ずつ投資したとします。この場合、3つの銘柄のウェイトはそれぞれ 0.5,0.3,0.2です。50%,30%,20%と言うこともできます。ウェイトは、各資産への投資額を投資額合計で割れば求めることができます。ウェイトの合計は1(100%)になります。
前回勉強したリターンの定義は、ポートフォリオに投資した場合にも当てはまります。例えばA,B,Cという3つの会社の株式にそれぞれ50万円,25万円,25万円,合計で100万円投資したとしましょう。配当の支払いはなかったとして、期末までに、A社株は5%値上がりして52.5万円になり、B社株は20%値上がりして30万円になり、C社株は10%値下がりして22.5万円になったとします。すると、当初100万円だったポートフォリオの価値は、万円です。100万円が105万円になったので、リターンは5%ということになります。
ポートフォリオのリターンの求め方は、もう1つあります。「各資産のリターンの加重平均」としても求めることができるのです。上の例だと、当初の100万円に占める株式A,B,Cのウェイトは
A:B:C
です。一方、リターンはそれぞれ、5%,20%,%でした。それぞれのリターンにウェイトを掛けて足し合わせると、
となります。「総額100万円が105万円になったから5%」という、定義から求めた結果と一致していますね。これは偶然ではなく、どちらで求めても必ず同じになります。(数式による証明はこちら)
上の例では株式が3個の場合でしたが、n個の場合も同じです。各銘柄のウェイトが で、リターンが のとき、ポートフォリオのリターンは という加重平均になります。
ポートフォリオのリターンの求め方は分かりましたか。次回は「空売り」を解説します。
>> ポートフォリオ基本用語(3)空売り