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資産が3種類の場合で証明します。n種類でも考え方は同じです。


A, B, Cそれぞれの株に v_1, v_2, v_3 ずつ、合計 v=v_1+v_2+v_3 万円投資した結果、それぞれ価値が v'_1, v'_2, v'_3 になり、合計で v'=v'_1+v'_2+v'_3 万円になったとします。

(本文の数値例では v_1=50, v_2=30, v_3=20 で合計 v=100 万円でスタートし、それが v'_1=52.5, v'_2=30, v'_3=22.5 で合計 v'=105 万円になりました。)

ポートフォリオの収益率は v'/v から1引いたものです。よって

    \begin{eqnarray*}\frac{v'}{v} -1 &=& \frac{v'_1+v'_2+v'_3}{v}-1\\& =& \frac{v'_1}{v}+\frac{v'_2}{v} + \frac{v'_3}{v} -1\\& =& \frac{v'_1}{v_1}\cdot\frac{v_1}{v}+\frac{v'_2}{v_2}\cdot\frac{v_2}{v} + \frac{v'_3}{v_3}\cdot\frac{v_3}{v}-1 \\& =& \left(\frac{v'_1}{v_1}-1\right)\cdot\frac{v_1}{v}+\left(\frac{v'_2}{v_2}-1\right)\cdot\frac{v_2}{v} + \left(\frac{v'_3}{v_3}-1\right)\cdot\frac{v_3}{v} \end{eqnarray*}


(1番目の=はv'を代入しただけ、2番目のイコールは分数の足し算を分けただけです。3番目の=は、右辺から左辺に戻れることを確認する方が簡単です。右辺を約分すると左辺になります。4番目の=も右辺のカッコを展開し、左辺に戻れることを確認してください。)


最後の式で、\frac{v_1}{v}, \frac{v_2}{v}, \frac{v_3}{v} はそれぞれ当初のポートフォリオ・ウェイトであり、\frac{v'_1}{v_1}-1, \frac{v'_2}{v_2}-1, \frac{v'_3}{v_3}-1 は各銘柄の収益率ですから、全体の収益率が、各銘柄の収益率の加重平均であることが証明されました。


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