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債券の売買とお金の貸し借り

経済学では、「お金を貸すこと」と「債券を買うこと」は、本質的に同じであるとみなします。また、「お金を借りること」と「債券を発行すること」も同じです。


このことを理解するために、ジェームズ君が投資家からお金を借りるところを想像してください。


ジェームズはお金を借り、投資家はお金を貸します。1年後に利子を含めた1000円を返済することを約束して、今800円借りるとしましょう。この契約が成立したならば、今日800円が投資家からジェームズに渡され、1年後に1000円がジェームズから投資家に渡されます。


次に、ジェームズが債券を発行するところを想像してください。債券というのは、法律的に有効な紙きれで、そこにはこう書かれています。「私ジェームズは、この紙の持ち主に、今から1年後に1000円をお支払いします。」


この債券を、投資家が800円で購入したとしましょう。すると、代金の800円が今日投資家からジェームズに渡り、1年後には債券に明記された通り、ジェームズから投資家に1000円が支払われます。


どうでしょう。今日投資家がジェームズに800円払い、1年後にジェームズが投資家に1000円払うという点では、2つのストーリーは同じですね。これが、「お金の貸し借り」と「債券の購入・発行」は経済学的には同じものだ、ということの意味です。もちろん、債券の方が第3者への転売がしやすいだろうとか、実務的な違いはありますが、お金を貸し借りしているという点では債券も同じなのです。「債券の発行者=お金の借り手」、「債券の購入者=お金の貸し手」と理解してください。


当たり前に聞こえるかもしれませんが、このことを理解しているかどうかで、債券の価格と金利の関係を理解できるかどうかが決まってきます。次回はそれがテーマです。

>> 債券価格と金利の関係(2)安い債券・高い金利